草木染め界の重鎮「西形行庵さん」の工場を独自取材

栃木県伝統工芸品指定証明書

栃木の伝統工芸品に認定されている「行庵手織(草木染め)」を独自取材してきました。

栃木県伝統工芸品指定証明書 

西形行庵(にしかたぎょうあん)

・染織画家 栃木伝統工芸士

・染織芸術文化研究会 会長

・染織芸術文化振興評議会 会長

・栃木県伝統工芸品指定「行庵手織」

1951年 誕生

1979年 植物自然染による「万葉染」手染め手織りによる「行庵つづれ」個展

1983年 創作品「絵里絵」フランスのニースにて個展を開催

1985年 足利城ゴルフクラブ 壁面「彩手織・プレリュード」製作

1986年 栃木県伝統工芸品指定「行庵手織・草木染」「栃の葉染」発表

1987年 全国きもの女王コンテストにて「行庵きものショー」

     栃木県の日にて「行庵染織ファッションショー」

1992年 佐野日本大学高等・中学校 図書館棟 壁面「紋綴手織·陽明」制作

1995年 NHK宇都宮放送局内「彩絣手織·日光三彩」制作*NHK「小さな旅」出演

1998年 足利工業大学 事務棟「緒里絵·紅蓮」制作

1999年 足利警察署 玄関ホール「彩絣手織·陽明」制作

2000年 朦朧染 にてシルクジョーゼットスカーフ完成·個展

2001年 足利城ゴルフ俱楽部 壁面「15周年 紋綴手織·彰顕」制作

2002年 第4回栃木県伝統工芸展入賞

2006年 NHK土曜すてき旅·緒里絵紹介·染織現代アート·染織芸術の発表

2007年 行庵染織工芸館開館···染織脳工芸研修所開校

2008年 染織現代アート·染織芸術の追求·展示発表

2010年 アーツアライヴの活動参加·掛け軸創作

草木染めとは?

草木染めとは草や木を煮出して作った液体を綿、シルク、ウール、糸、布などに液体を入れて染める技法のことを言います。

基本的に植物や果実などの天然の原料を利用した染色方法のことを指します。

藍染(あいぞめ)や紅花染(べにばなぞめ)などの草木を煮出さずに染める方法もあります。

近年では人工的な「合成染料」を使うことが多いため、完全な天然物の草木染めを目にする機会が減っています。

というのも天然の草木染めを使った製品は貴重で値段もかなり高めに設定される傾向にあるからです。

草木染め(ハンカチ)

行庵さんのこだわりとしてはとにかく天然にこだわり、時間と労力をかけて商品(アート)を作成しています。

行庵手織(草木染め)とは?

行庵手織り(作品)

行庵手織とは自然の草木で染めた糸(草木染め)を丹念に手で織った物。

足利の織物や染物をベースにして草木で糸を染め織りにかける

糸に使う天然素材は

・ヨモギ

・アカネ

・とちの葉

・栗

・藤の葉

などなど。

西形さんは染めた布に絵を描いて一つの作品を製作します。

手染め・手織り・手書きが命です。

西形さんの作品の特徴として「縁起が良い絵柄」で製作しています。

それも必ず自分が見たことのあるものしか描かないと言うこだわりを持っています。

行庵手織り(作品)

行庵手織(桜の絵)

「納得できるように織れてきたな」と思うまでに40年以上の歳月が過ぎたと仰っていました。

「作品に心が入っているか?」

「最高の物が作れたらお金と交換してもいい!」

一糸一心(いっしいっしん)一本の糸に心を入れて作品を作ることが西方さんのこだわりです。

心を入れないと物物交換はできないし、製作物も売りたくないと言う強いこだわりを持っている職人さんでした。

足利市は織物で有名?

西形さんが工場を構えている栃木県足利氏は織物が有名な町です。

足利の織物の歴史は古く奈良時代にまで遡ります。

足利地方から「ふとぎぬ」が御領地(皇室の所有地)に献進したのが始まりとされています。

江戸時代になると貨幣経済が発達し、足利で「木綿縮」や「足利小倉」「足利結城」などが大変人気で、足利で作られる織物は「足利織」や「足利織物」と呼ばれ、貴族中心の物から一般大衆の人にも愛用されるようになりました。

明治時代から大正時代にかけては、アメリカやヨーロッパの国々の市場開拓に努め、直接輸出体制を確立し、輸出を拡大していきました。

織物の近代化として明治18年の織物講習所(現足利工業高校)の設置。

物流の近代化により両毛鉄道の敷設や経済基盤の確立として足利銀行の創設があります。

今の足利は織物があったことで形成された町と言っても過言ではありません。

事実、足利市には織物の博承館と言う場所があります。

 足利織物博物館

足利市織物博物館館内写真

足利織物博物館資料

 行庵さんの工場が足利市にあるのも納得です。

行庵さんが過去に製作してきた物

経歴にも書いてある通り天然の草木染めの着物やデニムを製作した過去があります。

デニムのインディゴカラーを草木染めだと思っている方も多いですが、デニムに使われている染料は合成染料です。

天然の物はまず市場に出回らないとされています。

それに目をつけた企業が行庵さんとタックを組み1本3〜5万円するようなデニムを製作し、飛ぶように売れたと行庵さんは話します。

※現在はデニムの製作は行っていません。

西かたち行庵さんの商品一覧